今あるデータから始め、将来的に“武器”となるような活用を目指す
顧客が望むWebサイトをワンストップで構築し、安心の運用サポートも行っているのが株式会社インフォネット。
1つのWebサイトをつくるまでには何十人もが関わります。事業成果と人・組織の力はどうつながっているのか。これから人的資本データをぜひ活用していきたい実証実験に参加いただきました。
非財務情報もきちんと可視化し、効果検証をしたい
散在しているデータを統合・整備していきたい
活躍人材の傾向をきちんと把握したい
悩み・課題
複数データの相関関係を表示でき、因果関係を考えることができた
これまでのデータ管理の課題と今後何が必要なのかを整理できた
生産性指標など、見るべきバロメーター整備の必要性を認識できた
効果・結果
ワンストップで事業を進めるために、連携は不可欠
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事業概要について教えてください
Webサイトの制作が主な事業です。制作に必要なCMSを自社プロダクトとして開発しており、制作後はお客様自身でサイト運用して頂ける仕組みとなっています。また、ロボットやAIを使ったWebのサイト内検索もグループ事業として手掛けています。ご提案や開発など、まさに人がすべてだという事業体ですね。
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どういった人材を重視されているのでしょうか
当社はWebサービスの企画・制作・運用とすべておこないますので、各職種がそろっています。流れとしては営業がお客様とコミュニケーションを取って案件化し、それをディレクターがお客様の要望をくみ取って具体化し、制作していきます。制作にはデザイナーやプログラマー、サーバーサイドのエンジニアなどが関わり、お客様の運用フェーズになるとカスタマーサクセスでサポート。一定期間がたつとアップデートのご相談なども出てきますので、また営業側が動く。これをぐるぐる回しているようなイメージです。全体の工程を理解して、必要なコミュニケーションを取る力、そして自身の専門分野を遂行する力。この両面が求められます。
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連携を促進するコミュニケーションが重要そうですね
実は営業やディレクターは東京が拠点で、制作は福井県や佐賀県などに拠点があります。拠点をまたいだコミュニケーションの工夫が必要ですので、Slackやzoomを社内コミュニケーションの基盤として整え、連携のスムーズ化をはかってきました。また、全員が一堂に会する全社会議を年2回は開き、Web上でコミュニケーションをとる朝礼を毎月実施するなど、直接話せる場も重視しています。
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拠点が離れていることの影響は感じられますか
基本的に業務は問題なく進められますが、ときにテキストだけだとニュアンスが異なって伝わることもあります。どうやったら細かいズレが起こらない組織であり続けられるかは、日々考えるところです。
組織状態のバロメーターを持てるようにしたい
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データを活用した組織運営はどのように取り組まれてきたのでしょうか
3年ほど前からエンゲージメント調査を取り入れ、従業員のモチベーションや働きがいを把握しています。たとえば会社の理念や方向性を発信していても、従業員の納得まで及んでいるかはわかりません。調査データでその辺が弱く見えたことから、朝礼でのコミュニケーションを強化したこともあります。
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どういうデータを重視されていますか
活躍人材の傾向をきちんと把握したいとまず考えています。実際、エンゲージメントが高い社員が活躍しているかどうかも、まだ検証には至っていません。さらに言うと、自社における活躍人材とは何なのか。そのあたりも取り組んでいくところです。一方で生産性は1つの重要指標ですのでそこを可視化し、それと活躍人材の特性の組み合わせはどうなのか、そこで見るべきバロメーターは何なのかというのは、今後勉強しながら設定していきたいと考えています。
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まさに、生産性との関連は重要ですよね
当社の売上としては、大きく初期の受託開発部分と運用サポート部分とがあります。大半の人が受託開発に関わりますので、その場合は売上に対しての1人あたり貢献を基本として見ています。ただ、実際には1つのWebサイトにかなりの人数が関わりますし、経験スキルの差もあります。そうした諸条件を踏まえた数値の捉え方を定めていく難しさを感じつつ。今後ぜひ検証していけたらと思うところです。
複数でデータの相関関係表示に興味を持って実証実験に参加
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情報開示項目が増えるのは大変さも増すわけですが、ポジティブな影響としてはどう捉えていらっしゃいますか
非財務でも何らかの形で表現しないと「わからない」になってしまい、効果検証もできません。それを数値で示すことで打ち手も見えてくるでしょう。開示が義務化されたことで、必要な情報が集まってくる状況が生まれたのはよいことだと思っています。たとえばエンゲージメントの数字と業績数字が揃っていないと照らし合わせることもできませんからね。各社の傾向も揃うことで、必要な打ち手も自然と見えてくるようになるのではないかと期待しています。
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実際に今回の実証実験をしてみて、いかがでしたか
複数データの相関関係を見るような作業は独自では難しいので、簡単に見られるのは新鮮な観点でした。どこに因果関係があったのだろうかと考える手掛かりにできます。一方で、どうしても限られたデータしかお渡しできなかったので、いろいろな業務管理システムと連携できるとありがたいなと思いました。また、データ分析後のアクションまでサジェストしていただけると役立ちそうです。
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まさにそうしたところは整えていきたいと思っています
当社側の準備不足があることも感じました。おそらくデータの蓄積があるほど直感的にわかりやすいデータが出てくるでしょうが、そういう状態ではなかったですからね。ただ、まだ社内に存在する情報はありますので、うまく整理できれば使えるかもしれません。
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たとえばどういう状態で残っている情報があるのでしょうか
ベンチャーから上場したような会社ですので、ある時期はこういうデータ管理をし、ある時期はこういうシステムを使い、というような変遷を経てきたものがあります。他にも採用関連で言うと、紙の履歴書だった時代から外部システムの活用などと変化するなかで、元データそのもののばらつきもあったりします。
データをもとに施策のPDCAを回し、効果を高めていきたい
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組織力診断の結果から、思われることはありますか
階層別に一定のギャップが生じているところは、改めて確認できたところです。ちょうど今年はそのあたりには手を付けていきたいと思って、4月には役員層とマネジャー層の合同会議、7月には全社会議を予定しています。特に全社会議ではミッション・ビジョン・バリューをもとにしたワークショップを全員でやろうと企画しているところです。
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そうした活動の後にデータをとると、変化が見えるかもしれません
やはりどういう活動であれ、従業員1人ひとりが当事者として、会社を考える組織にしていきたいというのは強く思います。昨年からマネジャーミーティングに一部の課題を任せるようにしたのですが、自分たちのアクションの手応えを確認しながら進んでいける組織として今後進化していけたらと思っています。
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改めて、今後の人的資本経営の展望についてメッセージを頂けますでしょうか
自社の指標開示については模索しながら進めていますが、各社動向が進むなかで徐々にコンセンサスができると想定しています。すると、事業インパクトに有効な要素も見えてくるでしょう。積極的に会社として取り組んでいきますし、自社にとっての大事な独自指標も今後見出していきたいと思っています。
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本日は、ありがとうございました
お客様プロフィール
お客様 | 株式会社インフォネット(証券コード:4444) |
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代表者 | 代表取締役 社長執行役員 日下部 拓也 |
所在地 | 東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア ウエストタワー2階 |
設立 | 2002年10月15日 |
事業内容 | WEBサイト構築・CMSサイト構築・システム開発・AIプロダクト開発 |
URL | https://www.e-infonet.jp/ |